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エステ業界は今後どうなっていくの?最近の動向と現状の課題、将来性について

エステサロンを経営している方や、これからサロンを開きたいと考えている方にとって、エステ業界が今後どうなっていくかはとても気になるところではないでしょうか。

エステ業界が抱える課題には、人口減少による働き手不足から、価格や生存競争の激化など、業界特有の問題があります。本記事では、エステ業界の市場規模や市場動向、そして直面している課題について解説します。エステ業界の将来性や、将来を生き残るためにやるべきことも合わせてご紹介しますので、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。

エステ業界の市場規模

エステ業界の市場規模は、近年ほぼ横ばいの状態が続いていました。しかし2020年に新型コロナウイルス感染症の拡大により緊急事態宣言が発令されてから、外出の自粛や営業停止の措置を受け、市場規模が、急激に縮小しています。

翌年の2021年もさらに縮小し、2022年に入ってからようやく、多少の回復傾向が見られる状況です。低迷した市場規模の回復とともに、エステ業界で生き残るためにはどうすればいいかにも注目が集まっています。

エステ業界の市場動向

規模が縮小してしまったエステ業界ですが、一方では新しいサービスのヒットや、店舗の整理統合、M&Aによる事業譲渡など企業間の動きが話題になっています。ここでは近年のエステ業界の市場動向を見ていきます。

フェイシャルエステの利用減少と痩身エステの需要

これまで人気のあったフェイシャルエステは、エステティシャンと至近距離で接することになり、マスクの着用も難しいことから敬遠されがちになりました。

コロナ禍により美容行動が低迷する中、一方では利用頻度が増えているケースもあります。特に動向に変化が見られるのは痩身エステです。痩身エステの利用頻度を増やす人が増加している要因には、自粛続きで体形が気になり始めた人が増えているのだと考えられます。

セルフエステの需要増加

少子化などが原因で働き手不足が指摘されていますが、それはエステ業界も例外ではありません。「人の技術」ありきで行われてきたエステ業界にとっては深刻な問題であり、喫緊の課題です。

そこに対して今、大きな話題となっているのが「セルフエステ」です。セルフエステといえば、自宅で美顔器を使って行うものを想像するかもしれません。しかし今注目されているセルフエステは、エステサロンに行って、自分で施術を行う形式のものを指します。

エステサロンで行うセルフエステのメリットは、業務用の美容機器を手軽に使える点にあります。価格の低さはもちろん、自分の都合で通える利便性、スポーツジムのような使い方ができる点も、流行を加速させている要因と言えるでしょう。

中には、月額定額料金のサブスクリプションサービスを提供しているサロンまで現れています。セルフエステは、現代人のさまざまなニーズにマッチしたものとして、今後の動向も注目される見込みのサービスです。

店舗の整理統合による既存店の強化

働き手不足は既存店舗の運営にも影響を与えています。人手不足によりサービスが低下すれば、サロンそのもののイメージダウンにつながりかねません。そこで活発になっているのが店舗の整理統合です。大企業を中心に、売り上げの伸びない店舗を整理し優良店舗の強化を図ることで、収益アップを目指す流れが加速しています。

大手企業が中堅企業を傘下に収め、買収された側のブランドも維持しつつ、異なる客層を取り入れ拠点拡大を目指す企業など、M&Aの動きも活発になっています。

集客方法が紙媒体からWebへ

従来集客のための宣伝といえば、テレビCMやチラシ、フリーペーパーなどが主流でした。もちろん現在でも利用されている媒体はありますが、最近ではそれらに替わってWebを活用した集客が増加傾向にあります。

テレビや紙のチラシなどに比べ、Webへの広告出稿費は比較的安価です。加えてスマートフォンの普及や、若い世代を中心にSNSの利用者数が大きく増加したことにより、広告が注目される場面が紙やテレビからWebに移行しました。

エステ業界でも、すでに多くのエステサロンがWebからの集客に力を入れています。視覚的に訴えやすい動画広告の採用や、広告から気軽に体験予約ができる利便性の良さを活用してアクセスを増やしています。

エステ業界が抱える課題

エステ業界の課題には、国全体の少子化による人口減少の問題や、先述した新型コロナウイルスの流行による一過性の需要減少が挙げられます。その他根本的な問題として、エステ業界特有の、実務面での問題も存在しています。

ここでは業界特有の課題として

●エステシャン不足
●集客の難しさ
●価格競争の激化
●参入のしやすさがもたらす生存競争の激化

の4.つの側面をご紹介します。

エステティシャン不足

人口の減少による労働者不足のあおりを受け、エステ業界でもエステティシャン不足が問題となっています。女性の構成比が多いエステ業界は、出産や育児など、ライフスタイルの変化によっても人材が離れてしまいやすい業界です。多すぎるノルマが精神面を圧迫し、早期離職につながってしまうようなケースもあるでしょう。

集客の難しさ

集客面の難しさもエステ業界の課題です。特に中小企業や個人経営では、大手企業のように広告に莫大な費用をかけることはできません。Web集客に力を入れようにも個人ではノウハウがわからない、せっかく広告を出しても大手企業に埋もれてしまうなど、さまざまな面で集客を難しくしています。

価格競争の激化

セルフエステの台頭は、エステ業界の価格の常識を大きく覆しました。中には定額制を採用し、月額1万円に満たない金額で、美容機器を自由に使え、月に何度でも通えるサービスまで登場しています。また、価格競争に競り勝つためにキャンペーンを打ち出し、期間限定や、体験当日に契約した人限定で〇%オフにするといった、いわば消耗戦のような状態も続いています。

こうした価格競争の激化は顧客目線ではうれしいことですが、業界の成長を考えると、なんとか食い止め適正な価格でのサービスを提供したいところです。

参入のしやすさがもたらす生存競争の激化

エステサロンは個人でも簡単に開業できます。個人のエステサロン開業をサポートするサービスもあり、参入障壁が低く飽和状態にあるのが現状です。店舗数の多さに集客の難しさが加わり、さらに価格競争の激化によって、生存競争はますます激しくなっています。

エステ業界の将来性

エステ業界の市場規模は、新型コロナウイルスの流行による縮小はあったものの、これからしばらくは順調に推移しそうです。時代のニーズに沿ったサービスが展開されることで、新規顧客開拓につながれば市場規模の拡大にもつながります。

今後はセルフエステの増加と、より充実したサービスを提供するオーダーメイド志向のサービスの二極化が進み、業界を牽引していくと予想されています。

エステ業界で生き残るためにやるべきこと

エステ業界で生き残るためには、独自性や未開拓層へのアプローチが大切になります。さらに、優秀な人材に長く働いてもらうための、労働環境の整備も必要でしょう。ここでは、競争の激しいエステ業界で生き残るためにやるべきことを解説します。

リブランディング

これからのエステ業界で生き残るためには、他のサロンとの差別化をどのように図るかがポイントです。これまでの方針を振り返り、自社に足りないものや今の時代に必要なものを洗い出し、改めて方向性を定めたリブランディングをしていくことが求められています。

リブランディングでは、どのようなターゲットに自社ブランドをアピールしていくのかが、要となるでしょう。高級志向に振り切った、徹底的にラグジュアリーなサロンや、身近でいつでも通いやすい会員制のサロンなど、狙ったイメージに振り切るのも1つの手段です。話題の機器を導入するなど、トレンドに合わせたアプローチが注目を集めることもあるため、常にアンテナを広げておく必要があります。

新規ターゲット層へのアプローチ

これまで、自社がターゲットとしていなかった層にアプローチすることで、シェア拡大を図るのも有効です。

例えば、近年注目を集めているメンズエステの導入などが挙げられます。男性向けの美容に関する需要は少しずつ増えはじめ、メンズ専用ラインを展開する化粧品メーカーも多くなりました。2019年にリモデルした伊勢丹新宿メンズ館では、メンズコスメの売り場を拡充させ、さらにカウンセリングコーナーを設けることで、肌悩みにすぐ対応できる体制を整えています。

このように新にアプローチできそうな層へサービスを拡大していくことも、競争の激しいエステ業界で生き残るために欠かせない要素です。

出典:ISETAN 新宿店「コスメティクス / フレグランス」

労働環境の改善

人口減少という大きな問題もあり、不足する人材を確保するためには、働き方改革の促進が欠かせません。出産や育児休暇からの復帰のしやすさ、短時間勤務、給与の引き上げなどについて、一つひとつ真剣に検討していく必要があります。

また、売り上げ目標達成のための過剰なノルマも健全な運営状態とはいえず、スタッフに負担を強いるものでしかありません。売り上げを伸ばしていくために目標を掲げることは大切ですが、それが行き過ぎることのないよう、配慮していく必要もあるでしょう。

まとめ

エステ業界は2020年からのコロナ禍の影響で、需要が一時冷え込んだものの、徐々に回復が予想され、今後も安定した業界であると言われています。一方では、業界が成長や縮小をしていく中で、価格や生存競争の激化、人手不足などの課題も浮き彫りになってきました。これからのエステ業界で生き残るためには、サロンで働くエステティシャンの労働環境の改革や、新たな価値の発掘が求められています。

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