施術とは?ネイルサロンでも使う表現?
施術とは本来、医者が施す技術のことを指す言葉です。しかし現在では医療現場以外でも使用されることも多く、美容業界でも大半の方が聞いたことがあるでしょう。
そこで本記事では、「施術」と呼ばれるネイルサロンで提供するサービスについてご紹介します。後半ではネイリストとして押さえて置くべきポイントにも触れているので、併せて参考にしてみてください。
施術ってどういう意味?
そもそも施術とは、「手術を行う」との意味の、医者が施す医療術を指す用語です。そこからお客様に施すサービスなどを施術と呼ぶ使い方が一般化し、今では美容室や民間治療、エステサロンといったシーンで使用されるようになっています。マッサージを受けたり、ヘアセットをしてもらったりする際に施術と表現します。
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ネイルサロンでも「施術」と言う?
ネイルサロンでお客様に提供するサービスも、施術と表現します。ネイリストが行う施術は、主に以下のとおりです。
- ネイルケア
- ジェルネイル
- ポリッシュ
- アクリルネイル
- ネイルアート
それぞれ、どのような施術なのかを詳しく解説します。
ネイルケア
ネイルケアとは、爪や爪周辺のお手入れを行うことです。甘皮や角質の除去をしたり、爪の形や長さを整えたりして美しさをキープします。ネイルケアを行うと、きれいな爪が育ちやすくなるため、ネイルの仕上がりや持ちに良い影響を与えるでしょう。
なお近年では、ネイルアートなどができない職業の人であっても「指先をきれいにしておきたい」と考える人が増えたため、ネイルケアに特化したサロンも存在します。指先の美しさを保つためには欠かせない施術です。
ジェルネイル
ジェルネイルとは、ゲル状の樹脂をLEDライトやUVライトで硬化させるネイルのことです。ジェルネイルを施せば、強度が上がるため爪が折れにくくなります。長さを出せるのも魅力の一つです。またジェルネイルの仕上がりはぷっくりと厚みがあり、光沢感も得られます。2~3週間ほど美しい状態をキープできるため、比較的長い期間爪のおしゃれを楽しみたい方に人気があります。
なお、ジェルネイルを落とすときは、専用の溶液が必要です。一般的な除光液では落としきれないため注意しましょう。
ポリッシュ
ポリッシュとは、一般的にはマニキュアと呼ばれている塗装のことです。光沢感はあるものの、3日ほどで色落ちしてしまうため、短期間だけネイルを楽しみたい方におすすめです。ポリッシュは一般的な除光液で簡単に落とせるため、ジェルネイルよりも気軽に爪のおしゃれを楽しめるでしょう。「普段は仕事で派手にできないけれど、休日は自由に楽しみたい」とお考えの方にはポリッシュが人気です。
アクリルネイル
アクリルネイルとは、アクリルパウダーにリキッドを混ぜることで化学反応が起こり固まる施術のことです。アクリルネイルを施せば爪の強度が上がるため、爪を補強したい場合や長さ出しをしたい場合に行われます。爪が弱くてなかなか伸ばせないという人でも、アクリルネイルを施すことで自分好みのアートやネイルを楽しめるようになるでしょう。
ネイルアート
ネイルアートには、以下のような種類があります。
- 何種類もの色を塗り重ねるアート(グラデーション・フレンチ・マーブルなど)
- 立体的なアート(ラインストーン・3Dなど)
- 爪に直接描くアート(ハンドペイント・ドット・エアブラシなど)
- 伝統的な絵柄をモチーフにしたアート(タイダイ柄・ノルディックなど)
他にも、複数のアートを組み合わせる施術方法もあります。お客様の要望を叶えるためには、施術前に入念なカウンセリングを行わなければいけません。デザインのサンプルを幅広く準備しておいたり、お客様が持ち込んだデザイン画像を忠実に再現したりと、要望とのギャップが生じないように施術することがポイントです。
ネイルサロンにおける施術の流れ
ここからは、ネイルサロンにおける施術の流れを紹介します。施術方法によって流れは異なりますので、今回は代表的なジェルネイルの施術を見ていきましょう。主な施術の流れは、以下のとおりです。
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STEP1
カウンセリング
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STEP2
ジェルネイルオフ
-
STEP3
ネイルケア(下準備)
-
STEP4
ネイルアートの打ち合わせ
-
STEP5
ジェルを塗って硬化を繰り返す
-
STEP6
最終確認をしてオイルを塗る
各ポイントを詳しく解説します。
カウンセリング
まず、カウンセリングを行います。ネイルサロンでは1人ひとりのカルテを作成するため、カウンセリングを実施するのが一般的です。カウンセリングの際に確認すべき事柄は、以下のとおりです。
- 希望のデザインはあるか
- 好きなカラーは難色か
- 爪の状態
- アレルギーの有無
さらに、似合う色やデザインを提案することもあるでしょう。カウンセリングを通して今回施術するデザインを決めていくため、丁寧にすり合わせを行っていきます。
ジェルネイルオフ
カウンセリングを行ったら、今ついているジェルネイルをオフしていきましょう。先ほども紹介したとおり、ジェルネイルは一般的なポリッシュとは異なり、特殊な方法でオフします。
まず、マシンやファイル(ジェルネイルを削る道具)を用いて、ネイルの表面を削ります。このとき、爪の表面まで削ってしまわないように注意しましょう。そして、ジェルを溶かす溶液であるアセトンをコットンなどに染み込ませて、爪の上に置きます。その上からアルミホイルを巻き付けて、10~15分ほど放置してジェルが剥がれるのを待ちましょう。
なお、過去のジェルネイルを外す必要がなない場合は、このステップを飛ばして施術します。
ネイルケア(下準備)
ジェルネイルのオフが完了したら、ネイルケアを行っていきましょう。基本的には、以下のような下準備を施します。
- 爪の形を整える
- 甘皮の処理をする
- 爪の表面に軽く傷を付ける(サンディング)
- 爪の余分な油分を取る
下準備を行うことでネイルの持ちが変わるため、念入りに作業を行います。爪の周りにささくれや角質がある場合も、併せてケアしておきましょう。
ネイルアートの打ち合わせ
ネイルケアが終わったら、ネイルアートの打ち合わせを行います。どのようなデザインを施していくか、どのようなカラーを使っていくかなどをお客様と相談しながら決めていきましょう。お客様がデザインに迷われているなら、なりたいイメージを聞き出すのもおすすめです。例えば、ナチュラル系やオフィス系、シーズンネイルなど、仕上がりのイメージを尋ねてみましょう。カウンセリングの際に好きなカラーを聞いておき、参考にするのも一つの方法です。
ジェルを塗って硬化を繰り返す
ネイルアートが決まったら、ジェルネイルを塗っていきましょう。ジェルネイルは、以下の順番で塗っていきます。
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STEP1
ベースジェル
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STEP2
カラージェル
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STEP3
デザイン
-
STEP4
トップジェル
ジェルネイルを1つ塗るたびに、LEDライトやUVライトを用いて硬化していきます。一般的なポリッシュであれば乾くまでに時間がかかりますが、ジェルネイルの場合は長くても約1分で硬化するため、スムーズに次の作業に移れます。
なお、ジェルネイルの施術時間は平均で1時間半~2時間ほどです。凝ったデザインにする場合は、もう少し時間がかかると予想されます。
最終確認をしてオイルを塗る
ジェルネイルが完成したら、爪全体を見て仕上がりを確認しましょう。
- 爪全体にきれいにジェルが塗られているか
- ムラはないか
- お客様の希望するデザインに仕上がっているか
- 爪先に引っかかりがないか
上記のことを確認して、問題ないかをチェックします。特に、引っかかりがあると日常生活に支障をきたすため、入念にチェックしなければいけません。問題なく仕上がっているようであれば、キューティクルオイルを使って指先のケアを行っていきましょう。キューティクルオイルは爪やその周辺を乾燥から守り、コンディションを整える役割があります。
ネイリストとして押さえておくべき基本のポイント
ネイリストとして押さえておくべき基本ポイントは、以下の3つです。
- お客様に寄り添いながら希望を聞く
- 施術前には丁寧に説明をする
- ネイリスト自身のネイルケアを行う
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
お客様に寄り添いながら希望を聞く
ネイリストとして活躍していきたい場合は、お客様に寄り添いながら希望を聞くことを意識しましょう。お客様のなかには、自分でデザインを決めた上でサロンを訪れる方もいます。その一方で、ネイリストと一緒にデザインを決めたいと考える方もいらっしゃるのです。
後者の場合、どのようなネイルに仕上げたいのか、今どのような気分なのかをお客様の態度や表情から読み取って、提案していかなければいけません。嫌いなデザインやカラーがあれば、それらを避けた提案も必要です。つまり、より満足度の高い施術を行うためには、お客様の様子をうかがいながら、希望を叶えていくことが大切です。
施術前には丁寧に説明をする
ネイリストとして、施術前には丁寧な説明を心掛けましょう。何の説明もないまま施術をスタートするとお客様は不信感を募らせるため、施術に関する説明は1つひとつ丁寧に行うのがおすすめです。
例えば、消毒をする際も黙ったまま行うのではなく「今から手の消毒を行っていきますが、しみる箇所はございますか」などと声をかけることが大切です。小さな心遣いを積み重ねることで、お客様は安心感を得られます。
ネイリスト自身のネイルケアを行う
ネイリストは、自身のネイルケアもきちんと行っておきましょう。お客様はネイリストの指先を常に観察しています。ネイリストのネイルや指先がガサガサであれば、お客様はがっかりするだけではなく、これから受ける施術に不安を感じてしまうでしょう。ネイリスト自身も日々自分の指先を観察しておき、きれいな状態をキープすることが重要です。
また、ネイルのデザインを決める際に「ネイリストさんと同じデザインにしてほしい」と言われることもあるため、最新のデザインを施しておくのも大切です。おすすめのデザインを施していれば、お客様との会話も生まれやすくなります。
まとめ
施術とは本来医療の現場で使用される言葉であるものの、ネイルサロンなどさまざまな場面でも使われる表現です。ネイルサロンの場合は、ネイルケアやジェルネイルなどの施術方法があり、お客様の要望に沿ったサービスを提供します。
ネイリストとして活躍するためには、お客様に寄り添いながら丁寧なサービスを提供することが大切です。どのようなデザインに仕上げたいのかを聞き出すことで、満足度の高い施術を行えるでしょう。
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