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エステティシャンで独立するには?働き方や必要な開業準備を解説

エステティシャンで独立するには?働き方や必要な開業準備を解説

エステサロンで数年エステティシャンとして経験を積み、知識と技術力がある程度身に付いてくれば、独立して自分だけのサロンを開業したいと考える方も出てきます。とはいえ、エステサロンは開業へのハードルが低いため競合店も多いのが現状です。エステティシャンとしての技量だけでお客様を獲得し、運営していくのは厳しいことを知っておきましょう。

本記事では、エステティシャンとして独立して開業するメリットデメリット、技術面や資金面に関する事前準備、独立開業までの大まかな流れ、成功する秘訣など実践的な情報をピックアップしてご紹介します。これから独立開業に向けて準備をするために情報収集している方や、独立開業を目指してエステサロンで働いている方はぜひ参考にしてください。

エステティシャンが独立開業するメリット

エステティシャンが独立開業するメリット

エステティシャンが独立開業するメリットは、以下のとおりです。

  • こだわりを追求したサービス提供ができる
  • 自分のスペースで仕事ができる(自宅開業の場合)
  • 営業スケジュールを調整しやすい
  • 一人ひとりに寄り添うサロン経営を実現しやすい
  • お客様との信頼関係を構築しやすい

例えば、エステサロン勤務時に培った技術力やコミュニケーション力を活かして、お客様一人ひとりと向き合いながら、メニュー作成や細やかな対応をしやすくなるメリットがあります。

サロンの経営では、お客様との信頼関係の構築に加えて、リピーターのお客様が来店し利用する割合が売上に大きく影響する場合も。一人でも多くのリピーター獲得に向けて、日々努力できるかどうかがサロン経営の大きな鍵を握ります。

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エステティシャンが独立開業するデメリット

エステティシャンが独立開業するデメリットは、以下のとおりです。

  • 経営ノウハウがなければ閉店リスクが高まる
  • スタッフが少ないため自己管理が求められる
  • 予約なしの施術に対応できないこともある
  • お客様の予定に振り回されやすい

個人サロンの開業はハードルが低く、チャレンジする方も多くいます。その一方で、いくら知識と技術力が優れていても経営ノウハウがないまま開業すると、新規のお客様やリピーター獲得にうまくつなげられず、閉店に追い込まれる場合も。開業して1年以内に閉店するサロンも珍しくありません。

また小規模サロンを開業する場合は、自分の代わりに施術できる人がいない場合も多く、体調管理の徹底が求められます。1日に施術できる人数は限られるため、予約なしの施術に対応できないこともあるでしょう。お客様の急なキャンセルなど、予定変更に振り回されやすいデメリットもあります。

独立開業するための事前準備

エステティシャンが独立開業するためにはどのような準備をすればいいのか、技術面や経営面で求められる内容を順にご紹介します。

必要な資格や技術の習得

エステサロンを開業するにあたって、必要な資格や免許は特にありません。開業後にお客様の信頼を得やすくするために、AJESTHE認定エステティシャンやAEA認定エステティシャンなどの資格を開業前に取得しておくと、知識や技術の証明になり役立つでしょう。

他にもエステにかかわる資格もご紹介しているので気になる方は併せてご覧ください。
約20種類も!?エステティシャンに関わる資格って何がある??

独立開業したいといった気持ちだけが先行してしまうと、うまくサロン経営ができずに閉店してしまうリスクが高くなるため注意が必要です。

エステティシャンとして独立開業するために必要な知識を身に付けたい方は、こちらの記事でエステサロンの経営に求められる知識の勉強法を詳しく紹介しているので参考にしてください。

エステサロンを経営するには何を勉強すればいい?おすすめの勉強法も紹介

開業資金や設備の準備

エステサロンを開業するためには、安定した経営に向けてさまざまな資金を準備しなければいけません。主に開業資金や設備資金、運転資金があります。

開業資金



開業資金は、自己資金である程度カバーするのが理想ではあるものの、難しい場合もあります。日本政策金融金庫や金融機関から融資を受けたり、助成金や補助金を活用したりするのが一般的です。

中でも助成金や補助金は条件を満たせば支給対象になる上に、返済義務もないためハードルは低いでしょう。

審査の難易度としては、日本政策金融金庫の方が新創業融資を実施しているため低く、金融機関の方が回収率重視のため高い傾向にあります。人によっては、親族からの援助または贈与を受けることもあるようです。

設備資金



エステサロンを開業する場所によって、必要な設備の数や整備する範囲が異なるため、必要な設備資金も変わります。

●自宅サロンの場合
自宅の一部をサロン専用スペースにする場合で、機械やベッドのみ新たに購入するとなれば100万円程度必要です。リフォームする場合は、内装をどれだけ変えるかによって費用も変わります。また新築を建てる場合は、サロンスペースの広さや求める設備によっては多額な設備資金が必要になることもあるでしょう。

●マンションの場合
マンションの場合も、機械やベッドのみ新たに購入するとなれば100万円程度かかります。さらにサロン開業のためにマンションを新規契約して賃料や保証金を支払ったり、内装工事をしたりすれば合計で150万円〜300万円程度の資金が必要でしょう。

●テナントの場合
テナントの場合は、坪数と同時に施術したい人数によって費用が大きく変わります。内装工事が必要になったり、広さによってはスタッフを採用したりすることで全体の費用が膨らむことも。 業務用の機械を購入するとなれば、予想以上に設備資金が増えるかもしれません。500万円程度用意しておくと安心でしょう。

運転資金



エステサロンを開業する場合は、運転資金として月々でかかる費用の計半年分を確保しておきましょう。毎月固定で出ていく賃料や水道光熱費、人件費、販促費などを計算すると、月々の費用を算出できます。

エステサロンを独立開業までのステップ

エステサロンを独立開業までのステップ

エステサロンを開業するまでの期間は、3カ月〜1年かかるのが一般的です。開業後も問題なくサロンを運営するために、必要な書類の作成や手続き、戦略などしっかり準備しておきましょう。

事業計画書を作成する

事業計画書を作成し、集客方法や経営を続けるために必要な利益などを計算して具体化します。融資を受ける際や開業後の運営方針などで役立つことも多いので、丁寧に作成しましょう。

書類作成時には、以下の項目を記載する必要があります。

  • 経営者概要(プロフィール)
  • 企業理念(ビジョン・目的)
  • 事業内容(サービス内容・サロンの種類)
  • サロンの強み(他との比較や優位性)
  • 売上計画(開業後1年間のシミュレーション・月単位での売り上げ予測および見込み・損益計算)
  • 販促計画(販促物と費用・見込まれる集客数および売上)
  • 人材計画(必要な人材の具体性・採用計画)
  • 運転資金(返済の見込み・自己資金の返済額・数値計画)

融資する側は事業計画書を通して、経営者のエステティシャンとしての経験も含めた信頼性と自己資金をどれくらい用意しているかといった資金面を判断し、融資しても資金を回収できるかどうか検討します。安心して融資できると判断してもらうためには、具体性のある内容を記載しましょう。

開業場所選定(自宅、賃貸、テナントなど)

サロンを開業する場所を決めます。希望する働き方や資金面など、十分に検討しながら選定することが大切です。

自宅



育児や介護など、ライフスタイルの変化に合わせながら働きやすいメリットがあります。また家賃もかからないため、賃貸やテナントで運営するよりも経済的です。ただしうまくスペースを確保しないと、サロンスペースに生活感が出てしまうこともあります。

賃貸



賃貸マンションの場合は、店舗営業が可能な物件を選ばなければいけません。契約する前に、契約金が一般的な賃貸契約と変わらないかどうか確認しましょう。

好立地な場所で開業しやすい一方で、密室になりやすいため新規のお客様の獲得が難しい一面もあります。また家賃の支払いがあるため、ある程度安定した売上がないと継続してエステサロンを運営するのは難しいでしょう。

テナント


テナントの場合は自宅や賃貸マンションよりも信頼性が高いため、お客様をスムーズに獲得しやすい特徴があります。

居抜き物件は人気が高いものの、立地条件によっては後悔してしまう場合も。契約時の費用や月々の家賃の支払いの他にも、スタッフを採用すれば人件費も必要になるため、コストが膨らみやすい点には注意しましょう。

許認可の申請

エステサロンの開業場所に関わらず、開業した場合は1カ月以内に「個人事業主の開業届出書(開業届)」を税務署に提出する必要があります。

提出後は、税務署の受領印が付いた控えを保管しておきましょう。開業届の控えは、融資を受けたり、助成金や補助金を申請したりする際に必要です。開業届を2部作成し、一部を手元に残しておくといいでしょう。提出しないと、確定申告で青色申告する際に控除が受けられません。

またエステサロンを開業する際は、提供するサービスによっては保健所に「開設届」を提出し、許可を求めなければいけない場合もあります。

例えば、治療効果を謳うマッサージサロンを開業する場合は、「施術所開設届」を提出しなければいけません。


※参考:東京都福祉保健局「施術所(あん摩マッサージ指圧・はり・きゅう、柔道整復)の開設等

スタッフの採用

エステサロンの開業にあたり、新たにスタッフを募集して採用する場合もあるでしょう。エステティシャンの人柄はエステサロンの印象を大きく左右することもあるので、スタッフの採用は慎重に進めると安心です。

できるだけ費用を抑えたい場合は、ハローワークや友人・知人の紹介、費用を重要視しない場合は求人サイトやエージェントの活用を検討してみましょう。

独立開業後のマーケティング戦略の立案

長期的に安定した運用が見込めるエステサロンを作り上げるためには、お客様目線でサロンのマーケティング戦略を考えていく必要があります。

営業時間やメニューの価格設定、立地条件などを考えながら、どうすればお客様のニーズを汲み取ったサービスを提供できるか考えましょう。

独立開業後の働き方

エステサロン開業後は自分自身がオーナーになるため、エステサロンに務めていた頃と比較すると、ある程度時間に融通が利くようになります。

予約制で1日に施術する人数を決め、心身ともにゆとりを持ってサービスを提供する方も多いようです。

個人でエステサロンを経営する場合は、安定した収入は約束されないものの、頑張り次第では収入を上げたり、メリハリのある働き方を実現できたりしやすくなります。

エステサロンが成功するための秘訣

エステサロンを継続的に経営し、利益を上げ続けるためにはどうすればいいのか、成功するための秘訣をご紹介します。

継続的な努力と成長意識

安定した経営を手にするためには、日々トレンドをチェックしつつ、成長し続ける高い意識が必要です。特に美容に関する情報は移り変わりやすく、お客様も常にアンテナを張っています。新しいエステの機械や技術が出てくれば、いち早く学び自分の知識にしましょう。

技術力も開業当初のまま進歩しないとなれば、良いお店にお客様も流れてしまいます。リピーター獲得も難しくなり、閉店リスクも高まります。

顧客第一主義とサービス精神の持続

エステサロンの経営は、リピーターのお客様に支えられているといっても過言ではありません。

個人サロンで知名度が低い場合は新規のお客様を獲得するのは難しく、開業してしばらくは安定した売上が見込めないことがほとんどです。

リピーターのお客様を獲得するためには、ニーズに合ったサービスを提供できているのかに加えて、店内の雰囲気やメニューの価格設定を見直す必要があります。

他のエステサロンでは得られないような安心感や清潔感といったものがあれば、リピーター獲得も比較的しやすいでしょう。

変化に対応できる柔軟性と創造性の発揮

お客様のニーズは変化しやすいため、普段から細やかな変化を読み取れるように注意しなければいけません。

どうすれば満足度の高いサービスを提供できるのか常に考え、幅広い視野を持ちながら創造性を発揮することも大切です。

開業してしばらくしてリピーターのお客様を獲得しやすくなったら、美容だけでなく経済時事や世界情勢といった部分にも目を向けて、エステティシャン自身の引き出しを増やすといいでしょう。

まとめ

エステティシャンとして経験を積んだ後に独立し、開業する際は資格や技術力だけを頼りにするのは危険です。場合によっては、すぐに閉店に追い込まれる可能性もあります。

長期的に安定した売上を得ながらエステサロンを経営するためには、事前準備はもちろん、開業するまでに行う事業計画書の作成やマーケティング戦略の立案など、しっかりとした経営の土台を作ることが大切です。

エステサロンの経営を支えるリピーターの客様のニーズを汲み取り、メニューの価格設定やサービスの提供方法などを見直すことも忘れてはいけません。

サロンdeジョブ」なら、エステティシャンとして独立し、開業することを視野に入れながら働ける求人を探せます。自分の夢に一歩近づける職場で働きながら、エステサロン経営時に役立つ知識や技術を身に付けたい方は活用してみるといいでしょう。

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