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ネイリストがJNA認定講師になるには? JNA認定講師資格試験の受験資格や試験概要、取得のメリットなど詳しく解説

日本ネイリスト協会(JNA)が定める「JNA認定講師」は、多くのネイリストが目指すハイキャリアです。

ネイリストの仕事は、ネイルカラーやアートを施したり、ネイルケアをしたりしてお客様に手元の美を提供することです。しかし、JNA認定講師を取得すれば、スクールやセミナーの講師、検定試験の試験官など、ネイリストとしてのキャリアとは異なるキャリアを進むことができます。

本記事では、JNA認定講師になるにはどうすればよいのかや、受験条件を詳しく解説します。あわせて、JNA認定講師になるとどのようなメリットがあるのかも解説しているので、JNA認定講師を取得してキャリアアップ転職を目指している人、将来的にJNA認定講師になりたいと考えている人はぜひ参考にしてください。

JNA認定講師とは?

JNA認定講師とは、日本ネイリスト協会に設置されている講師会のメンバーとして活動し、JNAの活動を支える役割を担う人材のことです。具体的には、検定試験の試験官をはじめ、コンテストの審査員、各種セミナーの講師など、さまざまなJNAの活動をサポートします。また、JNA認定校などで、ネイリストを育てる講師として活躍する人もいます。

ネイリスト技能検定1級など、難関試験の試験官を務められるような人材でなければならないため、ハイレベルなネイリストたちをきちんと評価できる知識や技術力は必須です。

JNA認定講師は「サロン経営を行う」「接客をする」ネイリストとは異なり、広くネイル業界に貢献したい、後進を育てたいなど、ネイリストからのキャリアアップを考えている人が目指したい資格です。

出典:日本ネイリスト協会「JNA講師会組織図」
出典:日本ネイリスト協会「受験者数・合格者数推移」


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JNAとは

JNA認定講師を輩出する「JNA」とは、そもそもどのような団体なのでしょうか。

JNA(日本ネイリスト協会)は1985年に設立された、日本のネイル業界の先駆けと言える団体です。活動内容は「検定試験の実施」「セミナーの開催」「認知システムの設置」など、ネイリスト育成やお客様が安心して施術を受けられるための仕組みを構築し、維持・監督することです。さらに、検定試験対策やネイル技術向上のためのテキスト制作、さまざまなイベントの開催など、ネイルの普及やネイリストの技術向上のための活動に積極的に取り組んでいます。

JNAはネイルに関わる人たちにとって欠かせない、いわば基準となる組織です。

ネイリストがJNA認定講師になるには?

JNA認定講師になるには、JNA認定講師資格試験に合格しなければいけません。受験条件も多く、JNA認定講師になりたいと考えるのであれば、指定の資格を順次取得しておく必要があります。

JNA認定講師資格試験の合格率は、難関として知られるネイリスト技能検定1級の合格率よりさらに低いと言われています。ネイリストとしての知識を深め、技術向上を目指し万全の準備をして試験に臨みましょう。

JNA認定講師資格試験を受験するのに必要な資格や経験

ここからは、JNA認定講師資格試験を受験するために必要な資格や実務経験を解説します。

ネイリスト技能検定試験1級

ネイリスト技能検定試験1級は、ネイリスト技能検定の最上位資格です。1級を受験するためには2級合格が条件となり、2級受験のためには3級合格が条件です。一つひとつ積み上げていかなければ受験できない資格であり、難関のため合格率もかなり低く、2022年秋期までの累計による1級の合格率は38.75%となっています。

なお、JNA認定講師資格試験の受験には、1級合格の認定日から1年以上経過している必要があります。

出典:日本ネイリスト協会「受験者数・合格者数推移」

JNAジェルネイル技能検定試験上級

JNAジェルネイル技能検定は、ネイルの中でもジェルネイルに特化して技術力を試される試験で、上級が最上位資格です。こちらも上級を受験するためには中級に合格しなければならず、中級受験には初級合格が必要です。上述のネイリスト技能検定1級と合わせて取得していれば、ハイレベルなネイリストとして客観的にも認められるでしょう。

ネイルサロン衛生管理士

ネイルサロン衛生管理士は、JNAが制定する「ネイルサロンにおける衛生管理自主基準」にのっとり、お客様が安心して利用できるサロンの衛生管理に関する知識を身に付けている人が取得できる資格です。施設や設備に関する内容から、管理体制、衛生管理責任者の責務、消毒に関することなど、さまざまな面から見たサロンの衛生管理が試験内容です。1日のうちに理論講習と筆記試験、試験問題の解説と結果発表まで行われるため、その日のうちに取得が目指せます。

JNAフットケア理論検定試験

JNAフットケア理論検定試験は、足元のネイルをはじめとしたフットケアに関する知識や理論が習得できている人が取得できる資格です。比較的新しい資格ですが、ペディキュアなど足元のケアをネイルサロンで提供することも多くなった昨今、注目され必要とされている資格です。受験のためにはネイリスト技能検定3級以上、またはJNAジェルネイル技能検定初級以上、JNA国際ネイリスト技能検定3級以上のいずれかを取得している必要があります。

プロネイリストとしての実務経験

ネイリスト技能検定を受検するためには、実務経験が必要です。ただ、JNA認定講師資格試験の受験資格に、実務経験の年数は書かれていません。したがって、サロンワークが短くても他の条件を満たしていれば受験可能です。しかし、ネイリスト技能検定1級やJNAジェルネイル技能検定上級など、確かな経験を積み重ねてこなければ取得できない資格が必須の条件になっているのを鑑みると、必然的にそれなりの年数、実務経験を経ている必要があるでしょう。

JNAの個人正会員

JNAでは、協会の目的に賛同し協力してくれる人を募集しています。個人会員はプロのネイリストだけでなく、ネイルを学ぶ学生や美容業に従事している人なら誰でも申し込めます。入会金が1,000円、年会費が7,000円必要ですが、JNA認定講師を目指すならまずは入会しておきましょう。

JNA認定校の卒業生

JNA認定講師資格試験を受験するには、JNA認定校を卒業している必要があります。認定を受けているスクールは、ネイル専門学科だけでも全国に100ヵ所以上あるため、早い段階からJNA認定講師を目指しているなら、スクールは認定校を選んでおくと安心です。

なお、すでに認定校ではないスクールを卒業している場合は、認定校のネイル専門学科で「ネイルケア」と「ネイルイクステンション」の実技カリキュラムを合計20時間以上受講することで受験可能になります。

出典:日本ネイリスト協会「認定校 JNA本部認定ネイル専門学校一覧」

過去3年間にJNA主催のコンテストへの出場経験

過去3年間に、JNA主催「全国ネイリスト選手権」のプロフェッショナル部門に出場していることも受験条件です。地区大会やオンライン大会など、出場チャネルは問われません。なお、第48期JNA認定講師資格試験を例にとると、対象となるのは2020年1月以降の3年間に出場した大会です。

出典:日本ネイリスト協会「第48期JNA認定講師資格試験」

受験日に満20歳以上

JNA認定講師資格試験に受験するには、受験日までに満20歳になっている必要があります。2022年4月から成人年齢が18歳に引き下げられましたが、2023年2月現在、JNA認定講師資格試験の受験資格は満20歳以上のまま特に変更はありません。

出典:日本ネイリスト協会「第48期JNA認定講師資格試験」

JNA認定講師のメリット

これまで紹介してきた受験条件を見ると、JNA認定講師になるためには多くの経験や資格の取得が必要だと分かります。これだけの条件を満たすとなると、並大抵の努力では足らないでしょう。常にネイリストとして技術を磨き、最新の情報にもアンテナを広げ、その上で日々の業務をこなさなければいけません。しかし、これだけの努力を重ねてもJNA認定講師を取得するメリットはあります。

以下では、JNA認定講師を取得するメリットを3つ紹介します。

高い技術力を証明できる

JNA認定講師を取得すれば、高い技術力を証明できます。JNA認定講師資格試験では、ネイリスト技能検定試験同様、テーブルセッティングからネイルケア、カラーリング、ネイルイクステンションと、ネイルに関する一連の技術試験が行われます。JNAの基準に沿った厳しい採点がされるため、合格者は必然的に高い技術力を持ったネイリストと証明されます。独立する際の強みにもなるでしょう。

仕事の幅が広がる

JNA認定講師になれば、ネイリストとしてお客様に接するだけでなく、スクールやセミナーの講師として転職する、自らスクールを開いてネイルを教えるなど仕事の幅を広げられます。セミナー講師となれば単発の仕事も多く、出産・育児など、ライフスタイルに変化があった場合も仕事を続けやすいでしょう。また、サロンの上級職として転職できれば、年収アップも望めます。

自分で考えネイリストとして貢献できることをするのがJNA認定講師の活動でもあるため、何かに所属せずフリーランスとして新しいプロジェクトを考えてみるのもいいかもしれません。

JNA講師会のメンバーとして活動できる

さらにキャリアをステップアップさせ、JNA講師会のメンバーとしてさまざまな活動を行うことができます。検定試験の試験官やコンテストの審査員、イベントの実行委員など、サロンワークでは経験し得ない活動に関われるのが魅力です。

ネイル業界に広く貢献する仕事がしたいと考えている人なら、メリットの大きい資格と言えるでしょう。

JNA認定講師資格試験の受験概要

JNA認定講師資格試験は基本的に年2回、東京で行われています。試験は1次試験2次試験に分かれており、1次試験合格者のみ2次試験を受けることができます。試験内容は技術試験、筆記試験、面接です。

申し込みはJNA公式サイトまたは郵送で行います。

申し込みの際は以下のものを用意してください。

JNA認定講師資格試験の申し込みに必要なもの

■受験料
 26,400円

■必要書類
1.志願票
※受験料支払い後、受領証(コピー可)を添付

2.在籍証明書
※直近の実務経験(サロン勤務、スクール講師など)を記入
※フリーの場合は、自身が証明者として提出

3.ネイリスト技能検定試験 1 級合格証書のコピー
4.ジェルネイル技能検定試験上級合格証のコピー
5.ネイルサロン衛生管理士認定証(有効期限内のもの)
6.JNA フットケア理論検定試験合格証のコピー
7.JNA 認定校卒業証書のコピー、 JNA 認定校修了証明書
8.JNA 主催の全日本ネイリスト選手権(地区大会およびオンライン大会を含む)
プロフェッショナル部門の種目のディプロマまたは出場証明書のコピー
※③~⑧はA4サイズで用意

出典:日本ネイリスト協会「第48期JNA認定講師資格試験」

まとめ

JNA認定講師を取得するにはさまざまな条件を満たさなければいけません。ネイリストとしてキャリアアップしたい、JNA講師会のメンバーとしてネイル業界のさまざまな業務に関わりたいと考えているなら、受験に向けてしっかりと準備をしましょう。

JNA認定講師の資格を取得して転職をしたいなら、「サロンdeジョブ」を利用するのもおすすめです。ネイリストをはじめとした美容求人に特化した転職エージェントのため、ネイリストに関する求人も多く保有しています。キャリアアップ転職を考えているなら、ぜひサロンdeジョブのアドバイザーに相談してみましょう。

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