海外でエステティシャンとして働こう!必要な資格とスキルを紹介
- エステティシャン
エステティシャンとして日本国内である程度経験を積んだら、スキルアップも狙える海外で働くことを考える方も出てくるでしょう。ひと口で海外エステと言っても、国によってエステやマッサージへの考え方はさまざまです。そのため現地でエステティシャンとして働く前に、働きたい国の文化や考え方への理解が求められます。とはいえ、海外でエステティシャンとして働く上で何が求められるのか、調べてみても具体的な情報が少なく、困っている方もいるでしょう。
本記事では、エステティシャンとはどのような仕事なのかといった基本的な内容から、海外でエステティシャンとして働くために必要な資格やスキル、実際に役立つ海外での就職方法まで分かりやすく解説します。海外でエステティシャンとして働くことに興味がある方、準備を早めに始めたい方はぜひ参考にしてください。
エステティシャンとは?
エステティシャンとは、エステティック業に関連する業務を行う技術者のことです。
エステティック業では、手技または化粧品・機器などを用いて皮膚を美化したり、体型を美しく整えたりしやすくする施術や指導を行います。エステティシャンはフェイシャルやボディ、脱毛など活躍する場所は多岐にわたります。
エステティック業とよく似たものが、リラクゼーション業です。リラクゼーション業は心身の緊張を緩和する目的で施術するため、エステティック業とは目的が異なります。
エステティシャンの国内需要は高い傾向にあるため、サロンによっては未経験や無資格でも採用している場合も。経験が積めるエステサロンに就職し、知識ややスキルを身に付けて、将来的には海外で働くことを視野に入れた働き方もおすすめです。
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エステティシャンが海外で働くために必要な資格
日本にはエステティシャンが取得していると役立つ民間資格はあるものの、国家資格はありません。海外では国によってはエステティシャンに関連した資格が国家資格になっているものもあるほど、資格が重要視される傾向があります。どのような資格を取得すれば、海外でエステティシャンとして働けるのか見ていきましょう。
国際ライセンスとは
エステの国際ライセンスとは、エステティシャンとしての知識や技術が世界水準で一定レベル以上であることを証明する国際的な資格です。海外にある組織や団体が試験や認証を行っています。エステの国際ライセンスにはCIDESCO(シデスコ)国際ライセンスやINFA(インファー)、ICAM(イカム)などがあります。
CIDESCO(シデスコ)国際ライセンス
CIDESCO(シデスコ)国際ライセンスは、高品質な技術力を持っている証明にもなり得るライセンスで、世界共通の試験を実施しています。CIDESCO(シデスコ)はスイスに本部がある国際組織で、1946年にベルギーで設立したのが始まりです。現在は日本を含む30カ国以上と加盟国を抱え、各国に国際認定校を設立しています。
CIDESCO国際ライセンス試験に合格すれば、「CIDESCOディプロマ」が発行され、資格証明として活用できます。
一般社団法人CIDESCO-NIPPON
INFA(インファー)国際ライセンス
INFA(インファー)国際ライセンスは、エステティック教育専門の国際組織である国際エステティック連盟が認定する資格です。ベルギーに本部を置き、EU加盟国に共通してエステティック教育・資格の相互認証を行っているため、ヨーロッパで働く場合は取得しておくと役立ちます。ブライダルサロンやヘアメイクに活かせる内容も多く学べるため、勤務する場所によっては資格を活かしながら働けるでしょう。
ライセンスは、「ボディパスポート」と「フェイシャルパスポート」、ボディ&フェイシャルの「総合パスポート」の全3種類です。日本で膨大な量のカリキュラム受講後に、修了試験、国際試験を経て取得することができます。
INFA 国際エステティック連盟 日本校
ICAM(イカム)国際ライセンス
ICAM(イカム)は、高品質の知識と技術水準を持つ証拠になるフランスの民間資格です。取得すればエステティックのスペシャリストとして認定されるため、美容のプロを目指す方は取得するといいでしょう。修了試験に合格すれば「ICAMコースサーティフィケート証」が受け取れます。
ICAMのエステティック部門ライセンスは、全4種類あります。
- 認定エステティシャン(JEO教育指針に準拠した資格)
- エステティシャン(国際ライセンス)
- アドバンストエステティシャン(国際ライセンス)
- マスターエステティシャン(国際ライセンス)
国際ライセンスは国内ライセンスよりも、受験条件として長いカリキュラム受講時間を求められたり、実務経験年数を求められたりするのが特徴です。
世界共通の資格なので、エステティシャンとしての技量を図りたいときにも役立ちます。国によっては、国際ライセンスを保有していることが条件として記載してあることも。
取得すれば、エステティシャンとしての高度な技術力や知識があるという証明になるだけでなく、海外で働く際もスムーズに就業までの道のりを進みやすくなります。また国内では、他のエステティシャンとの差別化や高評価を受けやすくなり、独立開業や講師への道も拓きやすくなるでしょう。
一般財団法人ICAM JAPAN
エステティシャンとして、トップレベルのサービスを提供したいと考える方は、ぜひ国際ライセンス取得にチャレンジしてみてください。
国際ライセンスの取得方法は?
エステの国際ライセンスにはCIDESCOやINFA、ICAMなどがあることをご紹介してきました。ここからはそれぞれの取得方法を詳しくご紹介します。
CIDESCO認定エステティシャンの取得方法
CIDESCOディプロマは全部で4種類です。基本資格としてBeauty Therapy Diploma、海外のスパサロンで安全に働ける知識と技術の証明になるSpa Therapy Diplomaなどがあります。
例えば、Beauty Therapy Diplomaを取得する方法には、CIDESCO国際認定校を卒業する(学生受験)と働きながら受験する(一般受験)があります。
学生受験の受験資格は、CIDESCO国際認定校にて1,200時間以上の講義を受講し、CIDESCO国際試験合格する必要があります。さらに合格後2年以内にエステティックサロンまたはスパで600時間以上の実務経験を積むのが条件です。
●一般受験
一般受験の受験資格は、エステティックの基礎教育を通学で600時間以上受けていること、エステティック関連の実務経験が3年以上あること、受験申込書類の審査に通過できる実力があることが条件になっています。これらの条件を満たしているかの書類審査を受け、一次試験(筆記)、実技チェック、事前講習(60時間)を経て、本試験を受験する流れです。
※参考:CIDESCO-NIPPON「ビューティーセラピーディプロマ|CIDESCO資格」
INFA国際ライセンスの取得方法
INFA国際ライセンスを取得するためには、INFAスクールでカリキュラムを修了し、修了試験と国際試験に合格しなければいけません。国際試験で85点以上を取得すれば、「ゴールドマスター」の称号がもらえます。
日本校での単位制カリキュラムを修了し、修了試験を受験後、国際試験に合格しなければいけません。合格者には資格証「エステティックパスポート」が発行されます。
ボディコース:55時間
フェイシャルコース:48時間
●実務経験者(1年以上
フェイシャルコースとボディコースの理論・実技を合計144時間
●未経験者
フェイシャル&ボディで270時間のプレ講習を受けた後に各コースに編入
※参考:INFA 国際エステティック連盟「募集要項|インファースクール / INFA JAPAN 」
ICAM国際ライセンスの取得方法
ICAM国際ライセンスを取得するためには、単位履修証明や自己スキル確認の目安になる「ICAMコースサーティフィケート証」を取得しておかなければいけません。その上で試験を受け合格すれば資格認定になります。以下がライセンスの種類と取得までの目安の時間です。
300時間
●エステティシャン(国際ライセンス)
350時間
●アドバンストエステティシャン(国際ライセンス)
900時間
●マスターエステティシャン(国際ライセンス)
1,200時間
※参考:ICAM JAPAN「ICAMライセンス」
エステティシャンが海外で働くために必要なスキルとは
海外でエステティシャンとして働くためには、資格だけでなく質の高いスキルも求められます。とはいえ、海外で働かないと身に付けられないスキルばかりではありません。日本にいるうちに身に付けられるスキルも多くあります。取り組みやすいものから、順に身に付けていきましょう。
コミュニケーション能力
エステティシャンとして働く上で、お客様とのコミュニケーションは信頼関係を構築する大切な手段の一つです。施術中はもちろん、施術前後の時間も丁寧な対応が求められます。
お客様の話を聞いたり、悩みの解決につながるような情報を提案したりするといったエステティシャンとしての基本スキルは世界共通です。
英語力
海外勤務の可能性を広げたい場合は、語学力を身に付けておきましょう。特に日常会話レベルの英語力を求める海外サロンは多くみられます。母国語レベルで現地の言葉が話せれば、サロンによっては未経験でも採用してもらえることもあります。
英語力は国内で語学スクールに通い身に付けることもできますが、エステサロンで使用頻度が高い単語や専門用語など実践的な英語が効率良く学べるスクールは少ないのが現状です。
短期間で英語力などの語学力を身に付けたい場合は、海外留学も視野に入れるといいでしょう。働きたい地域に留学し、現地の言葉を直接学ぶことで効率的に英語力以外の語学が学べます。
異文化に対する理解
エステティシャンとして海外で働く際には、あらかじめ現地の文化や考え方を理解しておくといいでしょう。日本と海外では、エステに対する考え方に大きな違いがあります。
例えば、フランスやインドネシアでは国家資格がないとエステティシャンとして働けません。他にも、イギリスでは代替医療としてリフレクソロジーの提供が認められています。
すでに働きたい国が決まっている場合は、日本と現地のエステ領域での文化や考え方の違いを把握しておくだけで、就職後もスムーズにお客様のニーズに寄り添ったサービスを提供しやすくなります。
技術力の向上
海外ではエステティシャンの国家資格を設けている国もあるくらい、プロ意識を求められる機会が多くあります。単に美意識だけでなく、健康志向の高まりが見られる国も増加傾向にあるため、エステティシャンとしての技術力の向上は海外で就職した後も求められるでしょう。
また日本よりも海外の方が美容トレンドの入れ替わりが激しいため、新たな美容トレンドを知り、自分自身のスキルや提供するサービスの質を高める積極的な姿勢が求められます。
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海外での就職方法
海外でエステティシャンとして就職する方法にはどのようなものがあるのか、代表的な方法を3つご紹介します。
エージェントを利用する
日本企業が募集する求人だけではなく、現地の求人にも目を通したい場合は、日本人の利用を対象とする現地の人材派遣エージェントに登録し、利用するといいでしょう。
特定のエージェントだけが取り扱っている非公開求人や日本の求人サイトでは見られないような現地に特化した募集が出ている場合もあり、効率良くエステティシャンの海外求人が探せます。
またエージェントによっては、コーディネーターが就職までの道のりを丁寧にサポートしてくれる場合も。複数ある求人の中から比較検討したいのであれば、いくつか気になるエージェントに登録して時間をかけて情報収集するといいでしょう。
海外の求人情報サイトを活用する
現地の求人をより多く収集したい場合は、国内の求人サイトに加えて海外の求人情報サイトも活用してみましょう。ただし海外のサイトは外国語での記載がほとんどです。細かい部分まできちんと目を通し、応募する前に内容を確認しましょう。
エステティシャンとして働きたい国がすでに決まっている場合は、現地の求人情報サイトも見ておくと気になる求人を見つけやすくなります。
海外研修や海外支店のある企業に勤める
エステの最先端を学ぶために、海外研修を実施する企業に就職するのも一つの手です。海外研修に参加すれば、現地ならではの技術やサロンの雰囲気などを肌身で感じられるメリットがあります。そのため海外研修を積極的に実施して、スタッフにしっかり学んでもらいたいと考える企業も一部あるようです。
いずれは海外でエステティシャンとして働きたい方は、海外にも支店を展開する企業への就職が手っ取り早いでしょう。国内の店舗で経験と実績を積み、将来的には海外支店への勤務ができるようになるチャンスもあります。
まとめ
エステティシャンが海外で働くためには、国際ライセンスの取得の他にも、コミュニケーション能力や英語力、異文化理解といったスキルが求められます。
国内でエステティシャンとして経験を積み、必要な資格やスキルを身に付けられれば、海外勤務も視野に入れたさらなるステップアップも目指せるでしょう。
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