整体師になるには？資格や年収、向いている人の特徴を徹底解説

整体師は、体のさまざまな不調を施術によって改善する仕事です。整体師として働くためには、どのような知識や技術を学ぶ必要があるのでしょうか。



今回は、整体師の仕事をするために取得しておきたい資格や就職先、就職後の年収に加えて、整体師に向いている人の特徴などについて解説します。整体師を目指す際に知っておきたい基本的な情報をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

整体師の仕事について知ろう！

整体師とは、骨や関節などの歪みや筋肉のコリを手や足を使った施術で矯正したりほぐしたりして、施術を受ける方の体の痛みやだるさなどの不調を緩和する仕事です。



具体的な仕事内容は、まず施術を受ける方とのカウンセリングや検査を通して問題を把握した上で施術を行います。直接体の問題を解決することに加えて、運動やストレッチに関するアドバイスをすることもあります。



整体師が働く場所には整体院や整体サロン、治療院などがありますが、技術を身につけて専門性を高めればスポーツ選手のケアやリハビリに携わるなど、スポーツの分野でも活躍できるチャンスが広がるでしょう。



美容や医療、介護など、特定の分野で専門性を身に付ければさまざまな分野で働けます。

整体師ができない施術

整体師になるために必要な資格は特に定められていません。資格を持たなくても整体師と名乗れますが、できない施術がいくつかあります。



一つ目は、あん摩、マッサージ、指圧、はり、きゅうはそれぞれ専門の資格が必要です。



また、整体師と似た仕事に「柔道整復」を行う柔道整復師があります。捻挫や打撲、骨折などケガの応急処置や正常な状態へのサポートをする柔道整復も専門の資格が必須なので、資格がなければ整体師が行うことはできません。



投薬や手術などの治療を伴う医療行為も整体師の職務外です。医療行為は医師や看護師、歯科医師などの免許を取得している者のみに認められています。



一見整体師ができそうな施術であっても、資格がなければ対応してはいけない施術があるため、整体師として働く際には、よく把握しておかなければいけません。



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整体師になるには資格は必要？

整体師として働くために取得すべき必須の資格はありません。民間資格は存在していますが国家資格や公的資格はなく、無資格で知識や経験がない人でも整体師と名乗ることは事実上可能です。



しかし実際に整体師として働くには、整体の技術や解剖学など人間の体についての知識が求められます。資格を取得していないとしても最低限、講座やスクールなどで整体師として必要なスキルを身につけることは必要です。



整体師のスキルが学べる講座やスクールでは、カイロプラクティックやリフレクソロジー、開業についてなど、目的に応じたコースが用意されています。整体師として働くならどのような整体師を目指すか、目的に応じて学んでおくのがおすすめです。

整体師に関わる主な資格

前述の通り、資格がなくても整体師として働くことが可能ですが、整体に関わる資格を持っていれば施術を受ける方から信頼され、整体師としてレベルアップが望めます。整体に関わる資格には、いくつかの国家資格と民間資格がありますので、以下順番に紹介します。

国家資格

整体師の仕事に関連する国家資格は、主に以下に挙げる3種類があります。いずれかの国家資格を取得していれば、前述の整体師ができない施術も可能となります。

柔道整復師

柔道整復師の国家資格を取得するには、高校卒業などの大学入学資格を取得してから、大学や短大、専門学校の柔道整復師養成課程で3年以上学び、卒業に必要な99単位以上を履修しなければなりません。柔道整復師養成課程を修了して卒業した者、または卒業見込みの者が、柔道整復師の国家試験の受験資格を得られます。国家試験に合格して柔道整復師名簿に登録されると、柔道整復師の免許が取得できます。



柔道整復師の資格を取得すると、骨や関節を元に戻す整復法や患部を固定する固定法、患部を動かして機能回復に導く運動療法、リハビリとしての手技療法や物理療法といった施術を行えるようになります。

あん摩マッサージ指圧師

あん摩マッサージ指圧師も柔道整復師と同様、医療系の国家資格です。資格取得を目指すには、高校卒業後に文部科学大臣または厚生労働大臣指定の学校や養成施設で3年以上学ばなければなりません。受験資格を得てから試験に合格し免許を取得することで、あん摩マッサージ指圧師として働けます。



あん摩マッサージ指圧師になると、「あん摩」「マッサージ」「指圧」など手技によって、禁忌疾患以外に対する施術を行えます。

鍼灸師

鍼灸師の国家資格は、「はり師」と「きゅう師」の2種類に分かれています。はり師は皮膚や筋肉に鍼を用いる施術、きゅう師はもぐさを燃焼させた温熱刺激でツボを刺激する施術の異なるアプローチを用いて体の不調や症状の緩和を目指しますが、両方の資格を取得する人が多いため、まとめて「鍼灸師」と呼ばれています。



はり師、きゅう師の資格は、高校卒業後に文部科学大臣または厚生労働大臣が指定した養成施設で3年以上履修して、必要な知識と技能を修得することで受験資格が得られます。他の資格と同様、はり師、きゅう師として働くには国家試験に合格後に資格取得が必要です。



鍼灸師ができる仕事は、前述の鍼や灸のほか、手首で脈を測ったり、目視で状態を判断したりします。さらにエイジングケアやダイエットの美容鍼灸、スポーツ選手のコンディションを調整するスポーツ鍼灸も行うことがあります。

民間資格

整体師や療術師として働くには取得しなければならない資格はありませんが、仕事に関係する資格を取得すれば、整体師としてのレベルアップやスキルアップ、施術を受ける方からの信頼アップにつなげられます。そこで整体師として役立つ代表的な民間資格をご紹介します。

整体師・療術師

整体師や療術師の代表的な民間資格が、日本MTC療術師協会が主催する整体師資格です。日本MTC療術師協会認定のスクールに入学し、履修後の認定試験に合格することで取得できます。



その他にも、日本整体セラピスト認定協会主催の整体セラピスト資格、東日本療術師協会主催の療術師資格があり、いずれも整体師資格と同様、主催協会認定のスクール入学・コース終了後の認定試験合格で取得できる資格です。療術師資格は、取得すると東日本療術師協会の正会員になることで開業できるほか、補償制度の加入などの特典が受けられます。

リラクゼーションセラピスト

リラクゼーションセラピストとは、手技でマッサージやリンパドレナージュを行い、心身の癒やしを提供する仕事です。この資格には、一般社団法人日本リラクゼーション業協会が主催するリラクゼーションセラピスト資格、NPO法人日本セラピスト認定協会主催のリラクセーション検定などがあります。



体の痛みや不調を解消する整体師の仕事に加えて、体への手技を通してリラックスや癒やしを与えられる技術や知識を得られる資格です。リラクゼーションセラピストの資格があれば、心身ともに癒やしを提供できるスキルが得られるでしょう。

リフレクソロジスト

リフレクソロジストは、手足にある体の末端の「反射区」と呼ばれる部分を刺激し、反射作用を利用してリンパや血流を改善することにより癒やしや新陳代謝アップ、自己免疫力向上をサポートする仕事です。日本リフレクソロジスト認定機構主催のJRECライセンス認定試験、英国IEB認定のリフレクソロジープロ資格が代表的なリフレクソロジストの民間資格です。



リフレクソロジープロ資格に受験資格はありませんが、JRECライセンス認定試験は日本リフレクソロジスト認定機構加盟スクールにおいて講座を修了、またはスクールの規定で受験資格を得た者が受験可能です。

カイロプラクター

カイロプラクターとは、骨格の歪みを手技で調整することで自然治癒力を高め不調を改善へ導く、カイロプラクティックを行う仕事です。国家資格ではないため、カイロプラクティックの施術は厚生労働省では国家資格であるあん摩マッサージ師とは明確に区別されています。



カイロプラクターの代表的な資格は、日本カイロプラクティック登録機構主催の登録カイロプラクターです。こちらの資格は、WHOのガイドラインに準拠したカリキュラムを修了することで受験資格が得られます。

整体師の働き方と就業先

整体師の就業先は、主に以下に挙げる場所です。

就業形態は、雇用されて働く場合は正社員やパート、アルバイトなど就業先によって異なります。整体師は正社員雇用が最も多いですが、パートやアルバイト採用が多い点も特徴です。パートやアルバイトの整体師は、複数の整体院を掛け持ちして働く人も少なくありません。



その他には、派遣会社に登録して派遣として勤務する、業務委託契約でフリーランスとして働く方法があるのも整体師の就業形態の特徴です。

中には独立開業して整体院をオープンする整体師もいます。経営者として整体院を運営しつつ整体師として働くスタイルが多いですが、店舗を持たないケースもあります。整体師の仕事は一人でもできるため整体院や個人宅などへ出張して施術を行うことも可能です。

整体師の年収

整体師の年収は勤務先や就業形態によって大きく異なり、求められるスキルや給与体系も年収に影響します。そのため一括りに整体師といっても年収は約250～600万円と大きな幅があります。パート・アルバイトで時給制の場合は時給1000～1200円程度、派遣社員は時給1200～1300円程度が相場です。



サロン勤務や業務委託で働く場合は時給に加えて歩合制やインセンティブを導入していることもあるため、スキルが年収に大きな影響を与えます。もちろん、独立開業した場合も自分自身のスキルが売上に直結します。しかし正社員やパート、アルバイトのように給料の保証がないので、売上が伸びないと一般的な整体師の年収以下となることも珍しくありません。



高いスキルを持つ整体師なら、歩合制やインセンティブ制度がある職場勤務、または独立開業した場合で年収1000万円を超えることも可能です。

整体師に向いているのはこんな人

整体師に向いているといえるのは、以下の特徴に該当する人です

人の役に立つことが好きな人

整体師は体の痛みを訴える方の症状を緩和することで感謝されることが多い、人の役に立てる仕事です。スキルを身につけて施術を受ける方の役に立つこと、感謝されることが好きな人には向いています。

人のコミュニケーションが得意な人

適切な施術を行うためには、施術を受ける方が求めることをしっかりと聞き取ることが重要です。そのためには、コミュニケーション能力が求められます。施術中も会話を通してリラックしてもらうこともあるため、人とのコミュニケーションが得意な人も整体師に向いているといえるでしょう。

体力、忍耐力に自信がある人

整体師が行う手や足を使う施術は体を動かす必要があるため、体力が求められる立ち仕事です。勤務中は立った状態なので、体力に自信がある人の方が適しています。



人によっては数回の施術では症状が改善せず、長期間の施術が必要な場合があります。このような場合、長期に渡って施術を受ける方とコミュニケーションを取りながら改善を目指して施術を進めなければならないため、忍耐力も必要です。

スポーツが好きな人

整体師はスポーツ経験者が多く、体の使い方の知識に長けている人も多い職業です。特にアスリートを対象にしたスポーツ整体を行う場合は、スポーツが好きで知識がある人の方が向いています。

解剖学や生理学など体のしくみに関心がある人

不調を改善するための施術には、解剖学や生理学など人体の知識が不可欠です。体のしくみに興味関心がある人であれば、積極的に知識を学んで施術に活かせるでしょう。

まとめ

整体師になるために取得しなければならない資格は特に定められてはいません。しかし資格を取得すればスキルアップや信頼アップにつながり、国家資格を取得すれば施術できる範囲が広がります。



そして整体師は常に動く時間が長い接客業でもあるため、スキルと体力が求められる仕事です。その分不調で悩む方の役に立ち、人に喜んでもらえる、やりがいのある仕事といえるでしょう。



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